機器の進化によって、高画質な動画撮影が誰でもできる時代になりました。家族の日常生活や旅行の記念撮影のほか、ビジネス目的に利用する人も増えているようです。たとえば、仕事の記録や指導用、果ては商品や企業のアピールのために撮影するケースもあります。ここでは、動画撮影に使われる機器や利用シーン、動画撮影に失敗しないための方法をまとめました。
動画撮影の方法
スマートフォンの普及やデジタルカメラの動画機能により、動画撮影は手軽なものとなりました。どのような方法で、いつ撮影している人が多いのでしょうか。
【動画撮影の機材の選定】
年齢や性別によって、動画撮影の方法は大きく異なると言われています。男性はデジタルカメラまたはデジタルビデオカメラを、女性はスマートフォンを利用する傾向が強いようです。
・デジタルビデオカメラ
30代から40代の男性が目立ちます。女性も30代から40代の利用者が多いです。少し高価ですが、動画撮影をしたい人には使いやすい機器でしょう。
・コンパクトデジタルカメラ
50代から60代の男性が多いです。女性の利用者は、年齢が若いほど利用率が高いと言います。写真撮影のついでにできるため、気軽さが便利な機器と言えます。
・スマートフォン
20代から30代の女性が多いです。また、男性も20代から30代の利用者が多く見受けられます。若い世代なら必携のツールなので、気軽に撮影するのに向いています。
・一眼レフデジタルカメラ
全年代で大きな差はありません。ただし、利用者自体が少ないようです。高画質で撮影できるほか、ボケを出しやすく、プロクオリティを目指すには必要な機器でしょう。
【動画撮影のシーン】
動画撮影を行う状況は、家族との日常生活が多いようです。特に、子どもの成長記録やペットの成長記録を撮りたいという人が多数見受けられます。旅行中の撮影者も多く、記念に動画撮影をするという人も少なくありません。
一方、近年では仕事のために撮影するというユーザーもいるようです。仕事での記録や業務指導用の動画、さらには個人で商品や企業アピールなど、動画撮影が手軽になったためにさまざまな目的での撮影者が増えてきました。機器の進化によって、プロが撮影したようなクオリティの画質で撮影できる時代です。仕事のために動画を撮影したいと考える人は今後も増えるでしょう。
ビジネスで使える動画撮影のポイント
ビジネスシーンで動画撮影を希望する企業様や店舗様は増えました。自社内に担当者を立てて、商品の魅力を発信したいと考える人も増えているようです。そこで、自社で動画撮影するときに心がけておきたい準備についてご紹介します。
【ターゲットを定めた動画撮影が大切】
ひとつの動画に詰め込める情報は決して多くありません。数秒でその動画から離脱してしまう人も多いことを考えると、最初のコマから特定のターゲットに絞り込んだ動画を見せられるのがベストです。
たとえば、「デート目的に使うお店ならオシャレに」「ファミリー向けの商品なら家族での利用」など、コンセプトに沿った動画撮影を心がけましょう。ひとつの情報を伝えられるよう、ストーリーを絞り込むことが大切です。
【台本作りを大切にしよう】
動画撮影時、とりあえず撮影して使えるコマを残そうとすると、時間がかかってしまいます。また、大切なことを盛り込むのを忘れて撮り直しになったり、キャスティングが難しくてボツになったりというケースも出てくるかもしれません。
あらかじめ台本を作り、訴求する内容を決めておくとこのような抜け・漏れは大きく防げます。どんなことを伝えておきたいか、事前準備が重要なのは仕事も動画撮影も同じです。
【象徴的なシーンを撮影しよう】
たった15秒、たった30秒でも商品やお店のイメージは十分に伝わります。お店や商品によって得られる世界観、臨場感、商品やお店のメリットをアピールできる動画を考えていきましょう。箇条書きで読者に訴求したい内容をまとめ、簡単でよいので絵コンテを作ると現場での混乱が減ります。
象徴的なシーンとは、お店や企業の魅力が一枚で分かる画です。モノづくりのメーカーなら製品を作っている瞬間、ラーメン屋さんならできたてで湯気が立っているようなシーンがあると、消費者に対してよい印象を与えられます。
【音声を録音するならICレコーダーを用意しよう】
小さな音が「シズる」感を演出する商品も少なくありません。たとえば、グラスに飲み物を注いでいく音が気持ちいい、気泡が弾けるときの音に爽快感があるなど、映像だけでなく、音が購買意欲をそそることも多いです。
デジタルカメラやビデオカメラでも音声は撮影できます。しかし、よりクリアな音質を撮影したいと考えるならICレコーダーを用意しましょう。できるだけ商品に近づけることで、わずかな音でもきちんと記録できるはずです。動画撮影と同じタイミングで録音し、アフレコで音声を使いましょう。
【必ずリハーサルをしよう】
大切なシーンは1回で撮影できるとは限りません。特に、動画は写真と違って時間もきちんと記録できてしまいます。たとえば、ビールの泡がどれくらいの時間でなくなってしまうか、外で撮影したときに商品や演者が一番美しく見える時間帯はいつか、など、考えるべきことは多いです。
事前のリハーサルを行うと最適な時間がわかります。本番と違い少ない人数で試せるため、社内にかかる負担も少ないはずです。最適な動画撮影のタイミングを見極めるため、必ずリハーサルをしましょう。
動画撮影時の失敗例
動画撮影はテクニックが必要です。特に、プロレベルな動画を撮影しようと、一眼レフカメラを購入した場合は技術力が問われます。一回きりの勝負ですから、確実に撮影するのは簡単ではありません。高画質な撮影ができる一眼レフカメラを使用した場合、考えられる失敗例についてご紹介します。
【被写界深度】
一眼レフカメラで動画を撮影する場合、ピントが合っている部分とそうでない部分があります。被写体と風景の間のボケで立体的に見せることができますが、ピントがズレると途端に何を映しているかがわからなくなってしまいます。ピントが合っていない、被写体より離れた部分が被写界深度です。撮影したいものに被写界深度が合うよう、事前のリハーサルを行いましょう。
【カメラの視点】
動きがあったほうが面白い動画になると感じる人も多いと思います。しかし、あまりにせわしなく動く動画だと、見る側は何を伝えたいかがわかりません。カメラを動かし過ぎると画面酔いを引き起こすこともあります。できる限りカメラは固定し、見やすい動画を作るようにしましょう。
【音質】
動画撮影時、画ばかりにこだわって見過ごされがちなのが音声です。音質の低いカメラでは、視聴者が興ざめしてしまうことも珍しくありません。内蔵マイクの品質が高いカメラなら問題ありませんが、もし音質が悪い場合は別途マイクを用意しておきましょう。
【情報量】
動画内にはできるだけムダな要素は入れないようにしたいものです。たとえば、商品を撮影しているとき商品とは関係ないものが映っていると、視聴者は気が散ってしまいます。余計なものがフレーム内に移り込んでいないか、事前に確認しておきましょう。
機器の進化によって、動画を撮影すること自体は誰でもできるようになりました。しかし、簡単にできるようになったからこそ、細かい部分での気配りやテクニック、動画撮影の進め方のセンスがわかれるポイントです。家族の成長記録や旅行などのイベントの記念に撮影するときは、細かな点に気を配ると満足いく動画が撮影できるでしょう。もし、仕事のために撮影する動画なら丁寧な気配りが成果に大きく影響します。「とりあえず」の撮影ではなく、妥協しない動画撮影を目指してください。