「撮影の種類を調べていたらCG、VFX、SFXという言葉がよく使われていました。これらはどういう意味ですか?」
そのようなご質問にお答えします。
本記事の内容
・「CG」「VFX」「SFX」とは
・おすすめの活用法
ファンタジーの世界や宇宙空間など、現実的ではない映像を作るときに必要な技術があります。
それが「CG」「VFX」「SFX」です。
「CG」という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、「VFX」「SFX」は初めて聞く人も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、映像制作を15年行なっている弊社が、CG・VFX・SFXの違いをわかりやすく説明します。
撮影や映像に興味があるけど、専門用語がわからないという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
創業15年の大阪の映像制作会社、株式会社インディゴの代表。映像業界で20年の経験を誇る。
2006年に単身でオーストラリアに渡り1年弱、現地の映像制作会社の業務に携わり、帰国後に独立しインディゴを創業。
映像に関する、企画、演出、撮影、CG制作など多くの見識があり実績として、クボタ、ダイキン、パナソニック、ハウスウェルネスフーズなど様々な関西大手企業の映像制作を手掛けている。
「CG」「VFX」「SFX」とは
CGとは
「CG」とは、コンピューターグラフィックスの略称です。
コンピューターを使って描かれた図形や画像のことを指し、CG映像という言葉は一般的にも使われるようになりました。
CGには2次元の2DCGと、3次元の3DCGがあります。
2DCGは平面の絵なので、イラストや子供向けのアニメーションなどに多く用いられます。
3DCGは立体的な映像で、ゲームや映画などリアルな映像を作りたいときに用いられます。
VFXとは
「VFX」とは、Visual Effects(ビジュアル・エフェクツ)の略称で、視覚効果という意味です。
映像制作における技術の1つで、撮影後の映像制作作業の中で作られる映像効果です。
たとえば、実際の人物のみを撮影した後に、背景に宇宙のCG映像を合成して宇宙空間を作ります。
人間が宇宙空間に浮いている様子や、未知の惑星で生活している姿など、表現したい映像を自在に創り上げることができます。
また、銃撃シーンや爆破シーンなど、実際に撮影するのが危険な場合にもVFXが使われます。
撮影現場では人物のみを撮影し、後からCGで作った銃弾や爆発を加えることで、実際に銃撃バトルや爆破が行われているように見せられます。
映画「マトリックス」で、キアヌ・リーブスが体を反らせながら銃弾を避けるシーンを見たことがある方も多いのではないでしょうか?
このシーンでは、これまで見ることができなかった拳銃の弾道をCGによって可視化しています。
このような実写映像に新たな映像効果を加える技術をVFXと呼びます。
映像を付け加えるだけでなく、ワイヤーアクションで撮った映像からワイヤーを消去したり、沈没する船の乗客を撮影して、船のCGと合成することもVFXの技術になります。
実際に現実では目にすることができない映像を作ったり、現実にあるものと架空の映像を合成することがVFXの効果です。
SFXとは
「SFX」とは、Special Effects(スペシャル・エフェクツ)の略称で、特殊効果という意味です。
撮影後に行なわれるVFXと違い、SFXは撮影現場で生み出される映像効果です。
たとえば、特撮映画でよく見られるミニチュア模型・特殊メイク・ダミー人形などがSFXに分類されます。
ゴジラやウルトラマンなどの映像をイメージするとわかりやすいです。
街をミニチュア模型で作り、怪獣やヒーローを巨大に見せていますよね。
そのような非現実的な現象を再現することがSFXという映像効果です。
そこに怪獣が口から火を吐いたり、ヒーローがビームを出す映像(VFX)を加えることで、よりリアリティのある映像が完成します。
撮影・映像技術の活用法
デジタルを用いたCG・VFX・SFXの登場によって、映像表現の幅が広がりました。
VFXを用いた有名な作品には「トランスフォーマー」「ロード・オブ・ザ・リング」「トイ・ストーリー」などがあります。
CGとVFXの違いは、CGはキャラクターや背景などを全てゼロから創り上げるのに対して、VFXでは3DCGと実際の映像を組み合わせて加工します。
ファンタジー・宇宙空間・激しい戦闘シーンなど、実在しない映像をリアルに作ることで、視聴者を感動させたり、ワクワクさせることができます。
一方で、SFXを用いた有名な作品には「ジュラシックパーク」「エイリアン」「E.T.」などがあります。
SFXでは、ミニチュア模型・特殊メイク・着ぐるみ・スーツアクター・ワイヤーアクション・火薬・爆薬などが使われます。
従来は街中で撮影する場合、交通規制をかける必要がありましたが、ミニチュア模型を使うことによりスタジオで撮影ができるようになりました。
SFXを用いることで、人手を減らしながら、大掛かりな撮影をしなくても映像を制作できるようになっています。
ただの実写だけでなく、VFXやSFXを用いることで視聴者に感動や興奮を与えられる映像を作れます。
まとめ
2Dや3Dなどのコンピューターグラフィックスのことを「CG」と呼びます。
そしてCGを用いた撮影技術の中で、「VFX」は視覚効果、「SFX」は特殊効果を意味します。
CGだけでは違和感がある映像も、視覚効果や特殊効果を加えることで、より自然な映像に仕上がります。
撮影技術の進歩は目覚ましいもので、今後も本物以上にリアルな映像が作れるようになるでしょう。