「PVとMVの違いってなんだろう?違いを知っていないと制作の際に困らないかな…」
そのようなご質問にお答えします。
本記事の内容
・PVとMVの概要や違い
・PVとMVの種類
・PVとMVを制作する際のポイント
・PVとMVを外注する際の費用相場
PVとMVはアーティストの楽曲を映像にした作品を指しますが、2つの違いはご存知でしょうか?
どちらも似たような意味で使われていることが多いため、「イマイチ違いが分からない」という方も多いと思います。
そこで本記事では、PV・MVの概要とそれぞれの違い、制作する際のポイント、外注費用の相場について解説します。
PVとMVの違いについて知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
創業15年の大阪の映像制作会社、株式会社インディゴの代表。映像業界で20年の経験を誇る。
2006年に単身でオーストラリアに渡り1年弱、現地の映像制作会社の業務に携わり、帰国後に独立しインディゴを創業。
映像に関する、企画、演出、撮影、CG制作など多くの見識があり実績として、クボタ、ダイキン、パナソニック、ハウスウェルネスフーズなど様々な関西大手企業の映像制作を手掛けている。
「PV」とは
PVとは、promotion video(プロモーションビデオ)の略称で、アーティストの楽曲などを宣伝・販売促進するために用いる映像です。
近年は、音楽関連に限らず企業や商品・サービスの認知拡大、ブランディングなどにもPVが取り入れられており、マーケティング手法の1つとして注目されています。
テレビCMやSNS広告にPVを用いることが多いため、限られた時間で再生できるよう映像の長さは比較的短いのが特徴です。
たとえば、楽曲のPVには盛り上がるサビ部分を使用したり、映画のPVには良いシーンだけを切り取ってユーザーの「続きが見たい」という思いを掻き立てるような工夫がされています。
また、企業のPVを制作する場合は、伝える内容を1つに絞ってコンパクトな映像に仕上げることが多いです。
PVは、短い映像でユーザーの興味を惹けるような作品が求められます。
「MV」とは
MVとは、music video(ミュージックビデオ)の略称で、文字通り音楽のための映像です。
アーティストの楽曲が持つ世界観を視覚的に表現し、曲の内容やメッセージなどを訴求するために用います。
宣伝や販売促進用ではなく世界観を表現するための映像なので、曲の始まりから終わりまで全て収録するのが基本です。
アーティストや楽曲の個性を表現するために、工夫を凝らして制作を行います。
たとえば、アーティストが実際に歌っているシーンをさまざまな角度から見せることで、楽曲の魅力を伝えていきます。
また、ドラマ仕立てにしたりアニメーションを活用したりと、まるで1つの短編映画を見ているような満足感を得られるのもMVの特徴です。
MVは芸術性の高いものが多く、アート作品とも言えます。
MVはWebメディアの普及により増えた呼び方
PV・MVともに今では普通に使われている言葉ですが、かつては宣伝用の映像も楽曲の世界観を表現する映像も全てPVと呼ばれていました。
いつからPV・MVと分けて呼ぶようになったのか明確にされているわけではないものの、Webメディアの普及が1つの要因として考えられています。
Webメディアの普及により映像を視聴する機会も作品数も圧倒的に増えたため、アーティストは自分の映像を目立たせるためのさまざまな工夫を凝らすようになりました。
アーティストの工夫が詰まった芸術性の高い映像を、商品などの宣伝用映像と区別するために使われるようになったのがMVと言われています。
「PV」と「MV」には2つの種類がある
PVとMVの表現方法は大きく以下の2種類です。
- 実写
- アニメーション
それぞれ解説します。
実写
実写は実在している人や物を撮影した映像で、PV・MVともにアーティスト自身だけでなく、演者を起用するなどして制作するのが特徴です。
たとえば、商品のPVを制作する場合は商品だけを見せるのではなく、実際に演者が使用しているシーンも撮影し、使用感や使用方法を想像できるようにします。
また、MVの場合はアーティスト自身が歌っているシーンとドラマ仕立てにしたシーンを組み合わせて世界観を表現することもあります。
PV・MVともに、映像の内容に合わせて誰を起用するのか、どの場所でどんな演出を加えて撮影するのか工夫しなければいけません。
アニメーション
PVやMVはアニメーションで表現されることも多いです。
実写では表現できないような内容でも、イラストやCGを上手く活用すれば実現できるため、魅力的な作品が数多く生み出されています。
制作にはCGを扱う知識・技術が問われるものの、実写とアニメーションを組み合わせるなど、工夫次第でさまざまな映像を制作可能です。
「PV」と「MV」の4つの違い
PV・MVともに似ている部分は多いものの、以下の点が大きく異なります。
- 制作する目的
- 映像の尺(長さ)
- 訴求内容
- 配信する媒体
それぞれ詳しく解説します。
制作する目的の違い
PVとMVは制作する目的に明確な違いがあります。
概要でもご紹介したように、PVは音楽や商品・サービスなどの宣伝をするために用いることが多く、認知拡大や販売促進などを目的としています。
一方MVは、アーティストや楽曲の世界観を表現するために用いることが多く、価値を高めるなどの目的があります。
映像の尺(長さ)の違い
映像の尺に関しても違いはあり、「PVは短い」「MVは長い」のが一般的です。
PVは限られた時間でユーザーに情報を届けるため、訴求したい部分をコンパクトにまとめます。
ユーザーが飽きて離脱してしまわないように、MVの一部分を切り取って配信したり、冒頭部分にインパクトのある情報を含めるのも特徴です。
しかし、MVは楽曲の世界観を伝える目的で全てを収録するため、PVに比べると長めになります。
PVと同様、離脱されないようにさまざまな工夫を凝らすことから、芸術性の高い作品が多く生まれています。
訴求内容の違い
「PVは宣伝」「MVは世界観の表現」とご紹介したように、目的のために映像で訴求を行うかどうかの違いもあります。
たとえば、PVは宣伝が目的なので、アーティストや楽曲の詳細情報、リリースされる日程などを含めて、多くの人に情報を届けられるような訴求を行うのが特徴です。
映像の最初や最後にテロップなどを用いて、情報を分かりやすく表示します。
一方、MVは楽曲の世界観を視覚的に表現するのが目的なので、映像内での訴求は基本的に行いません。
楽曲の魅力が伝わるように、演出などを工夫して制作します。
配信する媒体の違い
PVとMVは配信する媒体にも大きな違いがあります。
たとえば、PVはテレビCMやインターネット広告、公共施設の電子公告など、多くの人に宣伝できるような媒体で配信します。
反対にMVは、ファンやアーティストを知っている人が視聴できるよう、YouTubeなどの動画共有サイトに配信したり、音楽専門チャンネルやDVDへの収録が多いです。
そもそもMVは映像自体の尺が長いため、テレビCMやインターネット広告への配信には向きません。
「PV」「MV」を制作する際の4つのポイント
PVやMVを制作する場合、それぞれの効果を引き出すためにもポイントを抑えて制作する必要があります。
ここでは、4つのポイントをご紹介します。
映像を制作する目的を明らかにする
PV・MVに限ったことではありませんが、映像を制作する場合は目的を明らかにしておかなければいけません。
映像を通して何がしたいのか、目的を決めておきましょう。
違いでもご紹介したようにPVは宣伝、MVは世界観の表現を目的としているため、自社の目的と合う方を選んで制作するのがポイントです。
内容に合わせて表現方法を工夫する
目的からPV・MVどちらを制作するのか決まったら、企画・構成を決めて表現方法も工夫するのがポイントです。
たとえば、楽曲のMVを制作する場合、「実写」「アニメーション」「実写+アニメーション」と大きく3つの表現方法があります。
どの表現が良いのかは内容によって異なるため、曲のイメージに合う方法を選んでください。
また、楽曲のPVを制作する場合も、MVのどの部分を切り取るのか、テロップにはどんな情報を盛り込むのか細かく考えなければいけません。
冒頭にユーザーを惹き込む要素を加える
PV・MVどちらもユーザーに視聴してもらえなければ意味がありません。
とくにPVは、アーティストや楽曲、商品・サービスのことを知らない人に宣伝するのが目的なので、冒頭で惹き込めなければ最後まで視聴してもらえないでしょう。
途中で離脱させないためにも、冒頭には「続きが気になる」と感じるような要素を加えるのがポイントです。
目的に合う制作会社を選んで依頼する
PV・MVはクオリティの高い映像を求められるため、プロの映像制作会社に依頼する必要があります。
制作会社を選ぶ際は、目的に合った制作ができるかどうか見極めて依頼するのがポイントです。
たとえば、実写映像にドローン撮影などを取り入れたい場合、機材を所有していてきちんと扱う技術を持った制作会社を選ばなければいけません。
また、アニメーション映像に3DCGを使いたい場合、CG制作に関する実績が豊富な制作会社を選ぶと良いでしょう。
対応できない制作会社に依頼しても意味がないため、事前にWebサイトなどを確認して見極めてください。
価格の安さにつられて依頼すると失敗しやすいため、注意しましょう。
「PV」「MV」を外注する際の費用相場
PV・MVを制作会社に外注する場合、費用の相場は以下です。
- PV:10〜200万円
- MV:5~35万円(アーティストを被写体に撮影する場合)
PVの場合、内容によって価格は大きく変動します。
たとえば、MVから一部分を抽出してPVにする場合は比較的安い費用で制作できますが、商品や企業PVなどの場合、依頼先によっては数百万円を超えることも珍しくありません。
また、MVもドラマ仕立てにしたり、アニメーションを含めるなどの演出を行う場合は、費用が異なります。
PV・MVともに、演出を加えた分だけ費用は大きくなるのが特徴です。
安く抑えたいからと費用を削ると、その分映像に影響するため注意しなければいけません。
映像で表現したい内容と費用のバランスを考えて制作を依頼しましょう。
まとめ
本記事では、PVとMVの概要とそれぞれの違い、制作する際のポイント、外注費用の相場について解説しました。
PVとMVはどちらも似た意味で使われているため混同しやすいですが、明確な違いもあります。
違いを理解しておかなければ、思い描いていた映像を制作できないなどのトラブルに繋がる可能性もあるため注意しましょう。
本記事を参考に、目的に合わせてPV・MVを上手く使い分けてください。