「映像制作を行う場合、テーマは決めておいた方がいいの?」
「そもそも映像制作はどう進めればいい?」
そのようなご質問にお答えします。
本記事の内容
・映像制作におけるテーマの重要性
・映像制作でテーマを決める際の4つのポイント
・テーマを活かした映像制作のやり方
・より良い映像制作はプロへの外注がおすすめ
映像制作において、テーマは視聴者側から直接見える要素ではないため、決めずに制作を進めることも少なくありません。
とくに、映像制作を初めて行う初心者の方であれば、「テーマは必要なの?」と疑問におもうことでしょう。
しかし、「テーマなしで良い映像は作れない」と断言できるほど、映像制作を行う上でテーマは重要です。
そこで本記事では、映像制作におけるテーマの重要性や決める際のポイントをご紹介します。
映像制作全体のやり方やプロへの外注に関する情報もご紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
創業15年の大阪の映像制作会社、株式会社インディゴの代表。映像業界で20年の経験を誇る。
2006年に単身でオーストラリアに渡り1年弱、現地の映像制作会社の業務に携わり、帰国後に独立しインディゴを創業。
映像に関する、企画、演出、撮影、CG制作など多くの見識があり実績として、クボタ、ダイキン、パナソニック、ハウスウェルネスフーズなど様々な関西大手企業の映像制作を手掛けている。
映像制作におけるテーマの重要性
映像制作におけるテーマとは、映像を通して「誰にどんな情報を届けたいのか」を表す要素であり、映像全体の方向性を示す指標にもなります。
テーマを決めた上で制作を進めると、映像にどんな情報を含めればいいのかはっきりするため、内容がぶれることもありません。
不要な情報を省くことにも繋がるため、見やすくて伝えたい情報が的確に届く映像を制作できます。
しかし、冒頭でもご紹介したように、テーマはユーザー側に見せるのではなく制作側が認識しておく情報なので、曖昧にされることも多いです。
映像制作の経験が豊富で、企画・構成がきちんと練られる場合は良いものの、事前にテーマを決めておくのは最も重要と言えます。
次項からはテーマを決める際のポイントをご紹介しますので、参考にしてみてください。
映像制作のテーマを決める4つのポイント
映像制作のテーマを決める際、以下4つのポイントを意識しておく必要があります。
・ターゲットは誰なのか
・ターゲットの悩みは何か
・1番アピールしたい内容は何か
・1つの映像に1つのテーマ
それぞれ詳しく見てみましょう。
ターゲットは誰なのか明確にする
テーマを決める際、まずはターゲットが誰なのか明確にしなければいけません。
ターゲットを明確にしておかなければ、テーマ自体もぶれてしまうからです。
そのため、映像を誰に見てもらいたいのか、誰に届いてほしい情報なのかを明確にしておきましょう。
たとえば、リクルート映像に関するテーマを決めたい場合、ターゲットが新卒採用者なのか中途採用者なのかで微妙にニュアンスは変わります。
また、化粧品のブランディング映像の場合も、ターゲットが20代女性と40代女性とではテーマを少し変えなければいけません。
ターゲットを具体的に設定しておけば、より的確なテーマを導き出せるため、できるだけ細かく設定しておくのがポイントです。
ターゲットの悩みを提示する
ターゲットが抱える悩みを提示し、テーマに含めるのもポイントの1つです。
たとえば、化粧品であれば「シミに悩んでいる」「毛穴ケアをしたい」など、ターゲットが解消したいと思っているであろう悩みを考えます。
悩みを提示した上で解決策などもテーマに含めれば、ユーザーのニーズに答えられる映像を制作可能です。
ただ単に「化粧品を紹介する」というテーマであれば、何を紹介すればいいのか、どんな情報を伝えればいいのか見せ方が分かりません。
しかし、「シミに悩んでいる女性に向けて、〇〇成分を含んだ〇〇を紹介する」といったテーマであれば、伝えるべき情報がより具体的に分かるでしょう。
アピールしたい内容を含める
ターゲットやターゲットの悩みだけでなく、アピールしたい内容を含めるのも有効です。
たとえば、先程の化粧品で言うと「完全自社生産」や「添加物不使用」、「オーガニック」など、ユーザーが興味を持ったり、心に響くような内容は何か考えて含めるようにします。
映像制作を進める際、アピール内容を明確にしておいた方が、どこを重点的に見せればいいのかといった見せ方に迷うこともありません。
アピールしたい情報が複数ある場合も、1つに絞って含めるようにしましょう。
1つの映像には1つのテーマにする
ここまでの3つのポイントを意識すれば、映像制作時の良いテーマはできると思います。
しかし、良いテーマが複数できたからと言って、複数のテーマで映像制作を進めるのはおすすめできません。
基本的に1つの映像に対して、テーマは1つで制作を進めてください。
テーマが複数あると、何を伝えればいいのか分からなくなってしまうため、せっかくテーマを決めた意味がなくなってしまいます。
さまざまな情報を盛り込みたくなってしまいますが、テーマは1つまでにしましょう。
テーマを元にした映像制作のやり方
ここからは、実際にテーマを元に映像制作を進めるやり方をご紹介します。
基本的な映像制作に必要な工程は以下4つです。
・企画・構成
・撮影準備・撮影
・編集
・完成
それぞれ詳しく見てみましょう。
テーマを元に企画・構成を練る
まずは、決定した映像制作のテーマを元に企画・構成を練る工程です。
企画・構成ではテーマの内容を掘り下げて、どんな情報をどう伝えるのかより具体的に考え、映像の種類なども決めていきます。
映像の種類は、大きく以下の11種です。
【実写映像】
・商品・サービス紹介映像
・企業紹介映像
・プロモーション映像
・ブランディング映像
・インタビュー映像
・リクルート映像
【アニメーション映像】
・モーショングラフィックス
・ホワイトボードアニメーション
・ストップモーションアニメーション
・イラストアニメーション
・3Dアニメーション
映像の種類ごとにそれぞれ特徴は異なるため、テーマを表現できるのはどの形式かで選んでください。
また、テーマに対するゴールを設定しておくのも大切です。
たとえば、「認知度を上げる」「購入に繋げる」「会員登録をしてもらう」「資料請求をしてもらう」など、映像を見たユーザーにどんな行動を取ってもらいたいのか設定します。
映像の種類やゴールを決めたら、シナリオなどに落とし込んでいきましょう。
必要であれば、絵コンテなども作成してください。
撮影準備・撮影を行う
企画・構成ができたら、撮影準備と撮影の工程です。
撮影に使用する機材や、演者を起用する場合はオーディションなどで選定します。
また、ロケ撮影が必要な場合は撮影許可を取るなど、まずは撮影に関する準備を進めてください。
準備が整ったら、企画・構成で決めた内容を元に撮影を行いましょう。
絵コンテなどで詳しく決めておく場合もありますが、テーマの内容がユーザーにしっかりと届くように、カメラワークやアングルなども意識して撮影するのがポイントです。
専用ソフトで編集を行う
撮影が終わったら、専用ソフトで編集を行います。
まずは、映像の不要な部分をカットしてコンパクトにまとめましょう。
テーマをあらかじめ決めておけば、必要・不要の判断もしやすくなるため、作業をスムーズに進められます。
また、エフェクトやテロップ、BGMなども内容に合わせて挿入するのがおすすめです。
必要に応じてオープニングやエンディングを付けても良いでしょう。
ここで注意したいのは、撮影時と同様テーマの内容がしっかりと届くような編集にすることです。
たとえば、エフェクトで注目を集めたり、重要な情報はテロップで分かりやすく見せるなど、編集を工夫してみてください。
編集は時間のかかる工程ですが、映像のクオリティに直接かかわる部分なので、丁寧に行うのが大切です。
データを書き出して完成
編集が終わったら、テーマに沿った映像になっているか、テーマに対するゴールへ誘導できているのかなどを細かく確認し、データを書き出して完成です。
媒体によって対応しているデータ形式は変わるため、事前に調べておきましょう。
より良い映像制作はプロへの外注がおすすめ
テーマを元にした映像制作のやり方をご紹介しましたが、ビジネスシーンで使用する映像を制作したい場合、プロへの外注がおすすめです。
映像制作は専門的な知識と技術を要するため、自社で行うとなると膨大な時間がかかってしまいます。
慣れている場合は良いものの、クオリティの高い映像を目指す場合はプロへ依頼しましょう。
プロの映像制作会社に依頼すれば、テーマ決定はもちろん、的確な企画・構成を提案してもらえます。
外注の費用相場
プロの映像制作会社に依頼した場合の費用相場は以下です。
・商品・サービス紹介映像:30~100万円
・企業紹介映像:50〜200万円
・プロモーション映像:20〜80万円
・ブランディング映像:100~300万円
・インタビュー映像:30〜100万円
・リクルート映像:10~200万円
・アニメーション映像:30万円~
依頼する制作会社や映像の種類・長さによって費用は変わります。
自社で制作するよりも費用はかさんでしまいますが、クオリティが高まる分目的も達成しやすくなります。
外注先選びのコツ
外注先を選ぶ際、費用の安さに注目しがちですが、安さだけで選んではいけません。
必ず、実績が豊富かどうか過去の情報なども確認してみてください。
また、丁寧な見積もりをしてもらえたり、打ち合わせの時間が十分に取れるなども選ぶ際のコツです。
テーマをしっかりと検討するためには、ヒアリングする時間を設けて決めていく必要があります。
撮影や編集だけでなく、事前の準備段階から真摯に向き合ってくれる映像制作会社を選んでください。
まとめ
本記事では、映像制作におけるテーマの重要性や決める際のポイント、映像制作のやり方、外注に関する情報をご紹介しました。
テーマはユーザーからは分からないものの、映像制作において最も重要な要素と言えます。
テーマを決めずに制作を進めると内容がぶれてしまう可能性もあるため、必ず企画・構成の前に決定しておきましょう。
テーマ決定から制作全体をプロに外注すれば、目的を達成しやすくなるため検討してみてください。