「3Dホログラムって何?」
「3Dホログラム映像を作りたい!」
そのようなご質問にお答えします。
本記事の内容
・映像技術「3Dホログラム」とは?
・3Dホログラムで立体映像が見える仕組み
・3Dホログラムと混同されやすい3つの映像技術
・3Dホログラム映像の3つのメリット
・3Dホログラム映像の作り方
近年、VRやARといったさまざまな映像技術が活用されている中、「3Dホログラム」にも注目が集まっています。
しかし、3Dホログラムは高度な技術・高額な機器が必要で一般的にはあまり普及していないため、「3Dホログラムって何?」「どう作るの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、3Dホログラムの概要や混同されやすい映像技術、3Dホログラムを活用するメリットについて解説します。
簡単な3Dホログラム映像を自作する方法についてもご紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
創業15年の大阪の映像制作会社、株式会社インディゴの代表。映像業界で20年の経験を誇る。
2006年に単身でオーストラリアに渡り1年弱、現地の映像制作会社の業務に携わり、帰国後に独立しインディゴを創業。
映像に関する、企画、演出、撮影、CG制作など多くの見識があり実績として、クボタ、ダイキン、パナソニック、ハウスウェルネスフーズなど様々な関西大手企業の映像制作を手掛けている。
映像技術「3Dホログラム」とは?
3Dホログラムとは、現実空間に立体的な映像を映し出す技術を指します。
まるで目の前に本物の物体があるように表現でき、360度どの角度からも立体に見えるのが特徴です。
本物の物体があるように立体映像を映し出す点では、「AR(拡張現実)」や「MR(複合現実)」とよく似ているように感じますが、実際は大きく異なります。
3Dホログラムは、スマートフォンや3Dメガネといった媒体を使わなくても、肉眼で立体映像を見ることが可能です。
また、一般的な3D映像と違って、側面や背面から見ても立体的に見えます。
3Dホログラム=立体映像ではない
3Dホログラムを知る上で注意したいのは、「3Dホログラム=立体映像」ではないという点です。
3Dホログラムは、ホログラフィ技術を用いて3D映像を投影する技術そのものを指します。
また、映像の記録方法に関する技術も含まれるのが特徴です。
光の振幅や光の波長、光の位相を記録・再生することで、立体映像の投影を可能にしています。
最近は、さまざまな3Dホログラムが出てきているものの、正確な定義とは違うものも多いのが事実です。
後ほどご紹介しますが、3Dホログラムとよく似た「疑似ホログラム」と呼ばれる映像技術もあるため知っておきましょう。
3Dホログラムで立体映像が見える仕組み
3Dホログラムは、「物体光」と呼ばれる物体から発せられる光と、「参照光」と呼ばれる光を感光媒体に照射します。
照射した物体光と参照光は干渉し合うため、「干渉縞」と呼ばれる明暗の縞を発生させます。
この縞模様が「ホログラム」であり、干渉縞を感光媒体に記録するのがホログラフィ技術です。
ただ、ここまでの状態では干渉縞を記録しただけなので、感光媒体を見ても何の情報も得られません。
記録時と同じように感光媒体へ参照光を照射すれば、ホログラムの縞模様に光が伝わって物体光のような光が発せられます。
人は、物体から発せられる物体光の情報を感じ取って形や色を認識しているため、感光媒体に記録された光も立体的に見えるのが3Dホログラムの仕組みです。
通常の映像との違い
通常の映像は、光の強さを表す「振幅」と色を表す「波長」の2つを記録します。
そのため、映像は平面に見えるという仕組みです。
しかし、3Dホログラムの場合は、振幅と波長に加えて、方向を表す「位相」の情報も記録されます。
位相を含めた3つの光を記録するという点が、通常の映像との大きな違いです。
3Dホログラムと混同されやすい3つの映像技術
3Dホログラムは、光の振幅・波長・位相の3つを記録・再生する高度な技術が必要なので、一般的にはあまり普及していません。
しかし、3Dホログラムとよく似た以下3つの疑似ホログラムがあります。
・ペッパーズ・ゴースト
・水蒸気型3Dホログラム
・ブレード型3Dホログラム
それぞれ詳しく見てみましょう。
ペッパーズ・ゴースト
ペッパーズ・ゴーストは、古くから劇場などで使われてきた演出方法の1つで、視覚トリックを応用して3Dホログラムのように見せる技術です。
半透明のスクリーンやガラス板に映像を透過して光を屈折させ、立体的な3Dホログラムを投影しています。
スクリーンやガラス板の向こう側にある景色と、投影された映像とが同時に見えることで、本物の物体が存在しているような錯覚をさせます。
3Dホログラムと比べて手軽にできる方法ですが、立体的に見えるだけで立体映像ではありません。
光の当て具合や見る角度によっては、立体的に見えないこともあります。
水蒸気型3Dホログラム
水蒸気型3Dホログラムとは、スクリーンやガラス板の代わりに水蒸気を使って3Dホログラムを投影する方法です。
光を反射する水蒸気の性質を活用しており、実際に触れて映像の変化を楽しめるなどの魅力もあります。
ただし、水蒸気は風の影響で映像が乱れやすいため、屋外での使用には向きません。
外的な影響を受けづらい場所での使用が求められます。
ブレード型3Dホログラム
ブレード型3Dホログラムとは、光源が付いた扇風機のような形のブレードを高速回転させることで、立体的な映像を投影させる方法です。
ブレード型だけでなく、回転型とよばれることもあります。
ブレードは、高速で回転しているため人の目では確認できず、投影された映像だけ見えるのが特徴です。
空中に物体が浮かんでいるように見え、どの角度からでも安定した3Dホログラムを再生できます。
3Dホログラム映像の3つのメリット
3Dホログラムで映し出した映像を活用するメリットを大きく3つご紹介します。
集客力や宣伝効果が高い
3Dホログラムは、さまざまな分野へと広がりつつあるものの、高度な技術を必要とするため、まだまだ一般的に普及しているわけではありません。
そのため、3Dホログラムを活用しているだけで話題になりやすいといったメリットがあります。
たとえば、新商品のプロモーションに3Dホログラムを活用すれば、これまでに見たことがない目新しさで多くの人を集められるでしょう。
また、口コミが広がったり、SNSで拡散される可能性もあります。
通常のプロモーションよりもインパクトがあり、高い宣伝効果を得ることが可能です。
細かい情報までリアルに表現できる
3Dホログラムは、まるで物体が目の前にあるような表現を可能にします。
立体映像なので正面や側面の情報はもちろん、奥行きまでも正確に見せられるのが特徴です。
本物と同じように細かいところまでリアルに表現できるため、たとえ実物が無くても問題ありません。
たとえば、高価な商品などを販売する場合、実物を展示するのではなく3Dホログラムを活用すれば、盗難リスクを下げつつもしっかり商品のアピールが可能です。
実物と変わらないようなリアルな表現ができるのは、3Dホログラムのメリットといえます。
3DメガネやVRゴーグルといった道具が不要
3Dホログラムの映像は、スマートフォンや3Dメガネ、VRゴーグルを用意しなくても立体的に見えます。
立体化された映像が映し出されるため、肉眼の状態でも立体映像を楽しめるのがメリットです。
これまで、3D映像を視聴する際はVRゴーグルや3Dメガネを装着するのが一般的でしたが、3Dホログラムであれば道具が無くても誰でも気軽に楽しめます。
また、映像酔いを起こすといったトラブルも、肉眼であればほとんど心配ありません。
3Dホログラム映像を作る方法
3Dホログラムの立体映像を作るためには、レーザー光や高解像度のディスプレイデバイスなど、高額な機器が多数必要です。
しかし、簡単な3Dホログラムであれば自作できます。
ここでは、3Dホログラム映像を作る方法と、投影装置を作る方法をご紹介します。
手順1:撮影
まずは、元となる映像を撮影します。
きちんと立体に見せるためにも、黒い背景で撮影を行ってください。
黒い背景がない場合は、背景が1色になるような場所で撮影しましょう。
カーテンや壁など、柄がなければ背景として使えます。
手順2:編集
撮影が終わったら、編集ソフトで加工していきます。
黒い背景以外で撮影した場合は、ソフトで背景色を変更しましょう。
また、3Dホログラム映像は上下左右に同じ映像を配置することで立体に見せるため、編集画面内に収まるようにサイズを調整します。
サイズを調整したら、コピー&ペーストで上下左右に配置してください。
微調整を行い、スマートフォンやタブレットで投影できるように「MP4」形式で保存したら完成です。
編集ソフトに関しては、さまざまなタイプがあるためまずは無料ソフトなどを試してみると良いでしょう。
「Wondershare Filmora」であれば初心者の方にも操作しやすく、無料でダウンロード可能です。
ホログラム映像の作り方に関するYouTube動画もアップされているため、合わせて参考にしてみてください。
手順3:投影
映像の編集が終わったら、スマートフォンを使って投影していきます。
投影装置の作り方は以下です。
①方眼紙を用意し、「上辺1cm・下辺6cm・高さ4cm」の台形を書いていきます。
②方眼紙の台形をプラ板などの透明の板に転写し、4枚カットします。
③カットした4枚をピラミッドのような形になるようにテープで留めます。
装置が完成したら、小さい方の四角をスマートフォンの画面上に載せましょう。
作成した映像を再生すると、装置中心に立体映像が表示されます。
簡易的な3Dホログラムなので、ビジネスシーンへの活用はおすすめできませんが、手軽に体験できる方法と言えます。
ビジネスシーンで活用したい場合は、3D映像などの制作実績が豊富な制作会社に相談しましょう。
まとめ
本記事では、3Dホログラムの概要や混同されやすい映像技術、3Dホログラムを活用するメリット、3Dホログラム映像を自作する方法についてご紹介しました。
3Dホログラムは高い集客力と宣伝効果を誇るため、今後さまざまなシーンでの活用が期待されています。
ビジネスシーンでの使用を検討している場合は、3D映像の制作実績が豊富な制作会社に依頼して取り入れてみてください。