スマートフォンの普及も手伝って、インターネット動画の視聴はいまや誰もが日常的に行っています。同時に、映像デザインのニーズは急騰中。ただし、単に動画を流せばよいのではなく、商品やサービスの良さをエンドユーザーまで伝えることが最重要の目的です。そのためには、それらを徹底的に理解して伝えることのできる映像デザイン制作者が欠かせません。映像広告の必要性や重要性、ストーリーやデザイン性のポイントなどについてお話します。

■映像広告の必要性
映像広告を作成するには、その必要性を十分に理解しておく必要があります。必然性といえるほどの映像デザインをする意味は、どのような点にあるのでしょうか。

【静止画の5,000倍!動画の情報伝達能力】
良い商品やサービスを扱っている自信はあるにもかかわらず、そのメリットがエンドユーザーにまで伝わりにくいということはよくあります。通常の静止画と文字だけのホームページでは、サービスを十分に紹介しきれないという場合に役立つのが動画です。

視覚と聴覚の両方から同時に訴えることのできる動画は、静止画と比較すると5,000倍もの情報伝達能力を持っています。視覚のみに訴える静止画と文字のみのホームページよりも、感覚的に刺激されるのは当然のこと。短い時間に効率よく情報量が多く含まれているため、受け取る側にも負担が少ないのが特徴です。

動きのある動画は、クリックしたりスクロールせずとも、商品やサービスの詳細を確認できます。商品の素材やカラー、形、使用例を知るには、静止画のホームページでは、何度もクリックしたりする手間がかかり、これがストレスになる可能性があります。企業や店舗のイメージ、スタッフの印象などを動きによって知ってもらうことが可能です。明確なイメージがわけばわくほど、ユーザーの興味が傾いて消費に近づくでしょう。

【映像は文章の2倍、記憶に残りやすい】
文字を記憶しても、20分後には4割以上を、60分後には5割以上を忘れてしまうのが人間の脳の性質です。一方、映像と音声が一緒に記憶されると、文字の2倍、記憶に残ることがわかっています。文字の記憶率の理論はドイツの心理学者によるもので、アメリカ国立訓練研究所が動画の記憶定着率を文字の2倍あると提唱しました。

文字による記憶が忘れられやすいのに対して、動画が長く記憶に残り続けやすいのには、3つの要素があります。1つめは、印象が強烈であること。2つめは、脳が重要だと認識していること。3つめは、反復性があることです。長期的に保存される記憶は、エピソード記憶とも呼ばれています。動画を見ながら、まるでその場にいるかのように体験を重ねると、印象強く重要なことだと脳が認識するわけです。

【紹介動画を見た7割以上が購買】
わかりやすい紹介動画が見る人に届くと、その7割以上が購買に結び付けるというデータがあります。購買を決断しようとする人の9割以上が動画を見ていたという点も、見逃せません。

データによると、理想の動画の長さは5分以内。見たい動画コンテンツの種類は、多様な商品やサービスに至っています。それらを360度の角度から眺めたいという要望も半数近くの人が持ち、動画に実践的なコンテンツを求めている人が多いといえるのです。

■映像広告の重要性
映像広告の伝達情報能力がいかに優れているかについて理解できたところで、今度は映像広告の重要性について見ていきましょう。

【インターネット動画広告の市場規模】
2012年の動画広告市場は50億円規模でした。しかし、わずか3年で10倍の501億円を達成。今後も拡大が見込める動画広告市場が急成長を続けているのには、どのような背景があるのでしょうか。

みなさんも容易に想像がつくように、スマートフォンの普及率が急上昇したことから、日常的に動画コンテンツを視聴するユーザーが増えています。検索やニュース、SNSの利用に次いで多いのが、動画コンテンツです。動画コンテンツの視聴者にはタブレットを使用している人も多く、いずれもタッチパッドであることから、スクロールしてコンテンツを閲覧するよりも動画で視聴したほうが早いという点も、動画の普及率と関係しているでしょう。

【人気を圧倒的に占める動画広告の種類】
ひと口に動画広告といっても、さまざまな種類があります。代表的なのが、インストリーム広告、インフィード広告、インバナー広告の3種類です。このうち、インストリーム広告は、各種人気動画サイトに大画面で表示される動画広告を指しています。全体の約7割を占める手法として人気になりました。特に、動画コンテンツ本編の前に流れる動画広告は、プリロール動画広告と名付けられています。

インフィード広告は、コンテンツとコンテンツの合間に表示される広告のことです。インバナー広告はバナー広告枠に表示される広告のことで、いずれも年々少しずつ成長を遂げています。しかし、インストリーム広告の成長規模に比べると微々たるものしかありません。

【動画広告のクリック率はバナー広告の約4倍】
アメリカの動画マーケティング会社の調査によると、広告の種類の中で最も高いクリック率を誇っているのは動画広告だという結果が出ました。パソコンでの一般バナー広告のクリック率が0.11%なのに対して、スマートフォンでは0.27%。動画広告のクリック率に至っては、0.42%もの成果を上げているのです。

業界別の動画広告クリック率を見てみると、趣味や興味のジャンルが0.82%と圧倒的な高さを誇っています。よりプライベートに関係するジャンルは、動画広告からクリックに至りやすいということでしょう。趣味や興味に次いでクリック率が高いのが、僅差でショッピングとビジネスです。いずれのジャンルも、今後さらに動画広告のクリック率が高まる期待があります。

■わかりやすい動画のためのポイント5つ
動画広告を効果的に発信するには、ストーリーとデザイン性を重視する必要があります。細かいポイントは5つ。一つずつ詳しく見てみましょう。

【わかりやすい動画であること】
動画は最初の5秒が勝負。ストーリー性のある動画は別として、最後まで見てもらえないことを前提にすると、効果的なのはどうしても伝えたい部分を最初に持ってくる方法です。さらに、何の動画なのかが一瞬にしてわからなければ、視聴者の記憶に残りません。

冒頭でわかりやすい動画を見せるためには、社名とロゴとサービス概要を数秒でまとめること。さらに見続けてもらえるようであれば、いくつかのステップを経てまとめに入ります。

【ストーリー性を感じさせること】
人の記憶に残りやすいコンテンツの要素にストーリー性が挙げられます。思わず見てしまうような動画広告には、物語を感じられることが多いです。次から次へと謎が重なっていくことで、興味を失わずに動画を見続けることができ、物語の謎が解けたところで感動が押し寄せます。

ストーリー性のある動画広告の場合は、少し長めの動画でも効果があります。最後まで動画広告を見てもらえるようであれば、冒頭から入ってまとめの部分で上手く結論づけをしなければ意味がありません。

【人をひきつけるものであること】
動画広告を作るにあたって、当然のことながら最後まで視聴してほしいものです。そのために3つの要素が求められます。

・トレンド
世間で話題になっていることをいち早く取り入れるようにすると、注目を集めやすいです。インターネットが普及して以降、人は今まで以上に新しいことを探すのに敏感になりました。トレンドを扱っているというだけで、口コミが口コミを呼び、商品やサービスが話題となることも珍しくありません。

・ユーモア
思わずクスッと笑ってしまうような動画広告は、見た瞬間に人にシェアしたくなったり、「いいね!」とクリックしたくなったりします。一部の人に受けるような笑いではなく、より多くの人にわかりやすく笑ってもらえるようなユーモアが効果的です。

・プロダクトの強さ
良い動画広告を作ることも大切ですが、それ以前に動画で紹介する商品やサービスが魅力的であることはもっと重要です。商品やサービスの強み、新しさ、競合他社より優れている点については、動画広告で積極的にわかりやすく伝達しましょう。

【音声の演出】
動画全体をわかりやすくすることが大切なように、音声を聴き取りやすくすることも重要です。何を言っているのかわからない動画は、視聴者にとってはモヤモヤするだけ。明瞭に聴き取りやすく演出されているかは、しっかりチェックする必要があります。

【適切なテキストと写真】
動画広告にも、テキストが含まれることがあります。テキストは、視聴者に伝えたいメッセージ。読みやすいフォントや文字サイズになっているかどうかが、成果の分かれ道となり得ます。動画広告では副要素となりますが、写真を含めるときにも視聴者に見やすいかどうかがポイントです。

株式会社インディゴでは、商品やサービスの魅力を最大限にアピールするために、わかりやすく、伝わりやすい映像デザインの制作を提案しています。TVCMをはじめ、商品・企業のプロモーション映像、展示会用映像、WEB映像など、幅広い映像コンテンツを手掛け、企業の価値向上に貢献。自社の商品やサービスをもっと広く、強くアピールしたいというときは、当社にご相談ください。

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