「3DCG広告ってどんなものがあるの?」
「3DCG広告を制作するメリットは?」
そのようなご質問にお答えします。
本記事の内容
・3DCGを活用した広告の種類
・3DCG広告で得られる4つの効果
・3DCG広告を制作する流れ
・3DCG広告制作を外注する際の3つの注意点
・3DCG広告・映像の事例3選
これまで3DCGは映画やゲーム、音楽業界などを中心に使われてきましたが、近年ビジネスシーンでもさまざまな所で使用されています。
とくに、広告においては3DCGの活用でより魅力的に見えるといった効果もあり、注目が集まっています。
そこで本記事では、3DCGを活用した広告の種類や得られる効果、制作の流れ、外注時の注意点を解説します。
弊社で制作した事例もご紹介していますので、3DCG広告について知りたい方はぜひ最後まで読んでみてください。
創業15年の大阪の映像制作会社、株式会社インディゴの代表。映像業界で20年の経験を誇る。
2006年に単身でオーストラリアに渡り1年弱、現地の映像制作会社の業務に携わり、帰国後に独立しインディゴを創業。
映像に関する、企画、演出、撮影、CG制作など多くの見識があり実績として、クボタ、ダイキン、パナソニック、ハウスウェルネスフーズなど様々な関西大手企業の映像制作を手掛けている。
3DCGを活用した広告の種類
3DCGは、テレビCMやインターネット上の動画広告だけでなく、以下のような種類もあります。
・屋外ビジョン広告
・AR技術を用いた広告
・VR技術を用いた広告
それぞれ詳しく見てみましょう。
屋外ビジョン広告
屋外ビジョン広告は、建物の屋外ビジョンやビルの壁面などに3DCGの映像を流し、裸眼でも立体的に見えるようにした広告です。
被写体が動いたり飛び出して見えるため、歩行者にインパクトを与えて注目を集められます。
湾曲したディスプレイに合う映像を3DCGを使って作ることで、立体的な広告を見せられる仕組みです。
中国や韓国でも屋外ビジョン広告は注目されており、巨大なディスプレイで3DCG広告が配信されています。
AR技術を用いた広告
AR技術は、3DCGで作られたバーチャルな映像をカメラを通して映し出す技術です。
「Pokémon GO」などもAR技術が使われており、3DCGを駆使することでまるで現実世界に存在しているような感覚にさせてくれます。
たとえば、以前ドミノピザでは新商品のプロモーションのために、AR技術を用いて空間に地球を表示させ、世界のチーズ事情や歴史を知れるコンテンツを開発していました。
他にも、海外ではポスターにカメラを向けるとクーポン券が飛び出るといった広告もあります。
AR技術を用いることで、さまざまな広告が作成されているのが特徴です。
VR技術を用いた広告
VR技術は、専用のゴーグルなどを使ってまるで現実世界のような仮想空間を体験できる技術です。
360度カメラなどで撮影した映像に3DCGの技術を加えて、よりリアルな世界を表現します。
このVR技術を用いて、自動車メーカーでは新車に試乗できるようなプロモーションが行われていました。
また、実際に観光地の雰囲気を味わえるようなプロモーションもされており、これまでとは全く異なる広告として注目されています。
3DCG広告がもたらす4つの効果
3DCG広告は、さまざまな効果をもたらしてくれます。
ここでは大きく4つの効果について見てみましょう。
魅力を最大限に伝えられる
3DCG広告を作成する際は、カメラの位置や照明、色彩などを自由に調整できます。
また、エフェクトなども使用できるため、被写体をリアルに表現可能です。
実写の映像や写真よりも表現の幅は広がるため、被写体の魅力を最大限に伝えられる効果があります。
細部まで正確に表現できる
3DCGはモデリングで被写体を作成し、マテリアルで質感などを調整していくため、細部まで正確な表現が可能です。
実写映像だけでは分かりづらいような小さな部品でも、3DCGを活用すればズームアップして正確に見せられます。
ユーザーの注目を集めやすい
3DCGを活用した広告は、魅力的で細部まで正確に表現できるため、ユーザーの注目を集めやすいといった効果もあります。
一般的な広告では他社に埋もれてしまうこともありますが、3DCG広告はユーザーの興味を惹いて効率よくアピール可能です。
疑似体験を提供できる
3DCG広告の種類でもご紹介したように、ARやVR技術を用いた広告であれば、ユーザーに疑似体験を提供可能です。
これまでの広告は一方的に見せるだけでしたが、ユーザーに体験してもらうことで、商品の特徴や魅力を詳しく伝えられます。
3DCG広告を制作する流れ
3DCG広告を制作する際の基本的な流れをご紹介します。
1. 打ち合わせ
3DCG広告の制作を外注する場合、まずは制作会社と打ち合わせを行います。
打ち合わせ時には、3DCGのCADデータの有無や納期、費用などを確認してから正式に発注するのが一般的です。
打ち合わせは1回で終わる場合もあれば、複数回必要になる場合もあります。
回数が増えれば、その分納期や費用が余分に発生してしまう可能性があるため注意しましょう。
社内で意見をまとめておいたり、必要なデータなどは忘れず用意するようにしてください。
2. 企画書・絵コンテ作成
打ち合わせが終わったら、企画書を作成して3DCG広告の方向性を明確にしていきます。
また、制作時に分かりやすいように、絵コンテなどを作成することもあります。
カメラ位置やカット割は3DCGを制作する上で重要な要素になるため、絵コンテを作成して共有しておくと安心です。
3. 制作
企画書や絵コンテを元に、3DCGの制作に入ります。
主な制作工程は以下の5つです。
1. モデリング:モデルを形作る
2. マテリアル・テクスチャ:モデルの色や質感を設定
3. リギング:骨を作成する
4. スキニング:骨の動きをモデルに反映する
5. レンダリング:出力する
社内でCADデータがある場合は、1からモデリングするのではなくデータを微調整して3DCGを制作します。
4. 試写
3DCG広告が完成したら、制作会社とともに試写を行います。
試写は最終確認になるので、要望などがある場合は制作段階で伝えておいてください。
完成してから修正を行うと、納期が遅れてしまったり追加費用が発生する可能性もあります。
修正に関する取り決めは制作会社ごとに異なるため、打ち合わせ時に確認しておくと安心です。
5. 納品
試写をして問題が無ければ、配信予定の媒体に合わせたデータで納品となります。
3DCG広告の長さや内容で異なりますが、打ち合わせから納品まで最低でも1~2カ月程度はかかると思っておきましょう。
3DCG広告制作を外注する際の3つの注意点
3DCG広告の制作を外注する場合、3つの注意点があります。
より良い広告を制作するためにも、覚えておいてください。
作りたい3DCG広告のイメージを固めておく
3DCG広告の外注先を決める際、事前に見積もりを取ることがほとんどです。
見積もり時に正確な情報を得るためにも、作りたい3DCG広告の具体的なイメージを固めておきましょう。
たとえば、広告の長さはどれくらいなのか、どの媒体で配信予定なのかなどを決めておきます。
また、車を表現したい場合「走らせるのか」「どれくらいの速度か」など、細かくイメージすることが大切です。
見積もりの段階では細かく聞かれない場合もありますが、イメージを固めて伝えておけば、実際に発注してからもスムーズにやり取りができます。
通常の広告よりも制作費がかかる
3DCGをどれくらい含めるかで大きく異なるものの、実写の映像や写真を使用した広告と比べて、3DCG広告は制作費がかかります。
場合によっては3DCGを使わずに表現した方が良い場合もあるため、本当に必要なのか考えてみてください。
3DCGを多様するよりも、部分部分で使った方がメリハリが出てインパクトがある場合もあります。
3DCG制作の実績が豊富な制作会社に依頼する
外注する際は、3DCG制作に関する実績が豊富な制作会社を選んでください。
制作の流れでもご紹介しましたが、3DCGはモデリングやマテリアルといった通常の動画編集にはない技術が必要です。
そのため、実績があまりない制作会社を選んでしまうと、思ったような3DCG広告を制作できない可能性もあります。
価格の安さや納期の早さだけを見ていると、実績のない制作会社を選んでしまうこともあるため注意しましょう。
3DCG広告・映像の事例3選
実際に、弊社で過去に制作した3DCGのCM・プロモーション映像の事例をご紹介します。
ILC国際腰痛クリニック(テレビCM)
「国際的で未来感、先進的なイメージで、視聴者の頭に残るテレビCMにしたい」というクライアント様のオーダーを元に制作しました。
見どころとしては、CM内の随所に3DCGを使用している点です。
たとえば、冒頭のPCデスクの前の夜景や、3人でタブレットを見ているシーンの背景、会議でのプロジェクターの映像などは全て3DCGで合成しています。
こういった大掛かりなセットを実物で用意するのは難しいですが、3DCGを用いれば自由に調整ができ、費用も抑えられます。
たくさんのこだわりが詰まった作品になり、クライアント様からも高評価を頂きました。
DAIKIN VRV5(商品プロモーション映像)
「最新のビル用エアコンというイメージを見せたい」というクライアント様のご要望を元に制作しました。
ディレクションから3DCG制作、編集、MA(音入れ)までを弊社で行ったプロモーション映像です。
白を基調とした3DCGでスタイリッシュに見せ、製品の良さや特徴を説明しています。
エアコンの3DCGは、クライアント様からご提供いただいたCADデータをFBXに変換し、CINEMA4Dに読み込んでアニメーションとレンダリングを行って制作しました。
クボタ エンジン 純正オイル(商品プロモーション映像)
「クボタ純正部品の信頼が上がるようにして欲しい」というクライアント様のご要望を元に制作しました。
企画から編集、3DCG、ナレーション手配、録音、納品までを弊社で行ったプロモーション映像です。
クライアント様からエンジンのCADデータを頂き、3DCGソフトのCINEMA4Dで扱えるようにポリゴン数を調整しました。
また、エンジンオイル缶は実物をお借りし、弊社でモデリングを行いました。
全体の商品イメージを高められるよう工夫して制作しています。
まとめ
本記事では、3DCGを活用した広告の種類や得られる効果、制作の流れ、外注時の注意点、弊社での制作事例をご紹介しました。
3DCG広告は、被写体が持つ魅力を最大限に高めたり、正確に表現できるなどのさまざまな効果が得られます。
制作するには専門的な技術を要するため、実績が豊富な制作会社に依頼しましょう。
3DCGを広告に取り入れて、これまでにはない効果を感じてみてください。