「動画制作において注意しなければいけないことはあるの?」
そのようなご質問にお答えします。
本記事の内容
・動画制作を自社で行う場合と外注する場合の注意点
・動画制作の流れと費用相場
動画制作を行う場合、企画から完成まで多くの工程を要するため、初めての方はどう進めればいいのか分かりづらいかと思います。
自社で制作する場合も外注する場合も「どこに注意すればいいのだろう?」と疑問に感じている方は多いでしょう。
そこで本記事では、動画制作を自社で行う場合と外注する場合の注意点をそれぞれ詳しく解説します。
動画制作全体の流れや費用相場に関してもご紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
創業15年の大阪の映像制作会社、株式会社インディゴの代表。映像業界で20年の経験を誇る。
2006年に単身でオーストラリアに渡り1年弱、現地の映像制作会社の業務に携わり、帰国後に独立しインディゴを創業。
映像に関する、企画、演出、撮影、CG制作など多くの見識があり実績として、クボタ、ダイキン、パナソニック、ハウスウェルネスフーズなど様々な関西大手企業の映像制作を手掛けている。
動画制作を自社で行う場合の注意点10選
動画制作を自社で行う場合の注意点を、各工程別に解説します。
企画における2つの注意点
企画は動画全体の枠組みにあたり、方向性を左右する重要な工程です。
大きく2つの注意点を意識して進めてください。
1.目的・ターゲットは明確にする
動画制作において最も重要と言って過言ではないのが、「目的」「ターゲット」を明確にしておく点です。
動画の目的やターゲットを決めずになんとなくで制作を進めてしまうと、何を伝えたいのか分からない動画になってしまいます。
制作自体もスムーズに進められなくなってしまうため、一番に目的・ターゲットを決めてください。
決める際は、実際に想像できるくらい具体的にするのが大切です。
たとえば、目的には「企業や商品・サービスの認知拡大」「価値を高めるためのブランディング」「会員登録や商品購入などのコンバージョン」が上げられます。
また、ターゲットは「都内に住む営業職の30代男性」「メイクに興味がある接客業の20代女性」など、性別や年齢に加えて住まいや職業、趣味といった情報も含めるのがおすすめです。
目的・ターゲットは広くするのではなく、なるべくピンポイントに設定してください。
2.メッセージの詰め込みすぎはNG
目的やターゲットを明確にしたら、おのずと伝えるべきメッセージが浮かんでくると思います。
ただ、浮かんできたメッセージを全て詰め込んでしまうと、情報が多すぎてユーザーを混乱させてしまうため注意しなければいけません。
基本的に1つの動画には1つのメッセージだけを含めるようにしてください。
長めの動画であればメッセージを2~3個含めても問題ありませんが、詰め込みすぎるのはNGです。
撮影準備における注意点
撮影準備を行う際は、機材だけでなく出演者に承諾を取ったり、撮影場所の使用許可を取るのも忘れてはいけません。
たとえ社員であっても動画への出演承諾を取っておかなければ、肖像権の侵害になってしまいます。
社員を起用する場合は、退職した後も一定期間は動画を使用できるように考慮し、承諾を取っておきましょう。
また、撮影場所に関しては「近くの公園で少し撮影する」などの場合でも、管理元に使用許可を取っておかなければトラブルに発展する可能性があります。
自社の敷地内であれば問題ありませんが、ロケ撮影を行う場合は短時間であっても許可を取ってください。
撮影における5つの注意点
撮影は動画自体のクオリティを左右するため、5つの注意点を知っておいてください。
1.手ぶれに気を付ける
綿密な企画・準備をしても、撮影した動画がぶれていれば視聴してもらえません。
手持ちでの撮影は手ぶれしやすいため、三脚を活用して固定で撮影するようにしましょう。
また、動きながら撮影をする場合は、ジンバルの活用もおすすめです。
2.映り込みを防ぐ
社外で撮影を行う場合は、映り込みに関しても注意が必要です。
たとえば、人通りや車通りのある場所では人の顔・車のナンバーなどが判別できないようにしなければいけません。
また、背景の建物や店舗のロゴ、ポスターなども映り込みの具合によっては著作権侵害に問われてしまいます。
基本的に撮影を行う場合は人や車が映らないように配慮し、背景も著作権の心配がないような場所を選んでください。
3.1カットは7〜10秒を目安にする
カメラは回したままにするのではなく、1カット7〜10秒程度を目安に分けて撮影するのが重要です。
撮影時間が長すぎると、後の編集作業もしづらくなってしまいます。
また、短すぎてもカットとカットを上手く繋げられないことがあるため注意してください。
カメラを回したら数秒あけてセリフなどを言いはじめるようにしましょう。
4.ズームはぶれやすくなるため避ける
被写体をアップで映す場合、カメラのズーム機能を使うとぶれやすくなります。
ぶれている動画は見づらいだけでなく、動画酔いする可能性があるため注意してください。
基本的にズーム機能は避け、被写体の近くにカメラを置いて撮影するようにしましょう。
5.ロケ撮影は逆光に注意
ロケ撮影の場合、季節や時間帯によって光のあたり具合が大きく変わります。
そのため、事前にロケハンを行い、明るさなどを細かく確認するようにしてください。
とくに、逆光で撮影してしまうと、編集で明るさを加えても暗い動画になってしまいます。
被写体に対してどこから光があたっているのか確認し、必要であれば照明なども活用するのが大切です。
編集における注意点
撮影と同様に、編集もクオリティに関わる重要な工程です。
編集を盛り込みすぎない
動画のクオリティを上げるためにさまざまな編集を加えたくなるかもしれませんが、盛り込みすぎないように注意してください。
とくに、エフェクトや効果音などを加えすぎると、見づらい動画になってしまいます。
動画の方向性を考えながら、必要な編集だけを加えるようにしましょう。
素材の商用利用・著作権を確認する
画像やBGMなどを動画に加える場合、素材の商用利用や著作権についても確認が必要です。
「商用利用OK」「著作権フリー」の素材であれば、基本的に制限なく動画に使用できます。
商用利用できても、著作権がかかっている場合は著作権料などを支払って手続きしなければいけないため、細かく確認しておいてください。
また、素材によってはクレジット表記やリンク先の掲載を求められる場合もあるので注意しましょう。
動画制作を外注する場合の注意点6選
ここまで、自社で制作する場合の注意点をご紹介しましたが、ビジネスシーンで使用する動画はプロへ外注するのがおすすめです。
ここからは、外注する場合の注意点をご紹介します。
依頼準備における注意点
動画制作を外注する場合、目的やターゲットを明確にするのと合わせて、予算や納期も決めておきます。
予算が決まっていないと、スタッフや機材を用意できないだけでなく、動画の方向性もあやふやになり、依頼しても制作はスムーズに進みません。
動画制作の内容によって予算や納期は異なるものの、相場などを参考に決めておいてください。
また、追加が発生する可能性も見越して、上限を設定しておくと安心です。
費用相場については後ほどご紹介しますので、参考にしてみてください。
依頼先選びにおける注意点
予算や納期を決めたら実際に依頼する制作会社を選びますが、ここでも注意点はあります。
安さだけで外注先を選ばない
外注先を選ぶ際、つい料金ばかりに目がいってしまいます。
しかし、安さだけで選ぶと思ったような映像を制作できず、失敗してしまう可能性もあるため注意が必要です。
「高ければ安心」というわけでもないため、過去の実績などを確認し、制作したい動画の方向性と合う制作会社を選んでください。
事前に見積もりを取る
合いそうな制作会社が見つかったら、事前に見積もりを取るのも忘れてはいけません。
設定した予算や納期でどんな動画を制作できるのか、細かく確認しておいてください。
また、不明点があれば質問し、丁寧に答えてもらえるかどうかもチェックしましょう。
動画制作は短くても1~3ヶ月程度やり取りをするため、自社との相性の良し悪しも重要になります。
契約における3つの注意点
見積もりを取り、契約へ進む場合は3つの注意点を意識しておいてください。
修正回数・タイミングを明確にする
動画制作を進めるにあたり、基本的には修正しなくてもいいように打ち合わせを通して内容のすり合わせを行います。
しかし、実際に動画を確認したら「思っていたのと違う」と感じる可能性もあるため、修正回数や確認のタイミングは明確にしておいてください。
たとえば、「修正は2回まで」や、確認するタイミングは「撮影終了時点」「カット編集後」など、制作会社ごとにルールは異なります。
後から焦らないように、打ち合わせの段階で確認しておきましょう。
動画の著作権・使用権を確認する
費用をかけて動画制作を依頼しても、制作した動画の著作権は制作会社側に帰属します。
事前に決めた範囲内で使用しなければ、著作権侵害に問われることもあるため注意しましょう。
たとえば、公式サイトにアップする目的で制作した動画を、YouTubeチャンネルやSNSにアップすると二次利用として著作権侵害になります。
また、動画の使用期間に制限を設けられているなど、知らずに配信するとトラブルに発展する可能性もあるため、契約書をしっかりと確認しておいてください。
再委託について確認する
再委託とは、依頼した制作会社が別の制作会社やフリーランスへ作業を依頼する行為です。
再委託したからといって何か問題が起こるわけではないものの、クオリティの差や機密情報漏洩などの可能性もあるため注意しなければいけません。
「再委託する場合は承諾が必要」など、制作会社側が勝手に外部へ作業を依頼しないような契約を交わしておくと安心です。
動画制作の流れと費用相場
動画制作を行う場合、基本的な流れは以下です。
- 企画・構成
- 撮影準備
- 撮影
- 編集
- 配信
自社で制作する場合も外注する場合も、大まかな流れは同じです。
ただし、自社制作の場合は機材を用意する手間暇がかかったり、出演者や撮影場所の手配など撮影準備に時間がかかります。
反対に、外注する場合はほとんどを制作会社側で対応してもらえるため、見積もりや打ち合わせの時間さえとれば問題ありません。
費用相場についても、それぞれ見てみましょう。
自社制作の場合
自社で動画制作を行う場合、どんな機材を用意するのかで費用が大きく異なります。
たとえば、スマートフォン1台と無料の編集アプリを使用すれば、費用をかけずに動画を作成できます。
反対に、機材を全て揃える場合は数十万~数百万かかる可能性もあるでしょう。
最近は機材のレンタルなども増えていますが、用意する機材の内容に左右されやすいのが特徴です。
制作会社に依頼する場合
制作会社に依頼する場合、動画の内容や長さで費用相場が変わります。
たとえば、動画の内容別の相場は以下です。
- インタビュー動画:30〜100万円
- イベント・セミナー動画:30〜200万円
- 企業紹介動画:50〜200万円
- 商品・サービス紹介動画:30~100万円
- アニメーション動画:30万円~
制作会社ごとに異なるため一概には言えませんが、動画の長さに比例して費用も上がるのが特徴です。
まとめ
本記事では、動画制作の注意点と流れ、費用相場を自社制作と外注に分けて解説しました。
動画制作を行う場合、各工程に注意しなければいけない点が多々あります。
気を付けていなければ、良い動画は制作できないため、自社制作・外注に関わらず知っておきましょう。
また、ビジネスシーンで使用する動画は、クオリティを高めるためにも制作会社への依頼を視野に入れてみてください。